大谷翔平が打席に入った瞬間、ローンデポ・パーク全体の空気が変わった。
1回裏、日本は0-1のビハインド。先頭打者として大谷が打席に立つ。初球。振り抜いた瞬間、打球音だけで「入った」とわかった。ライトスタンドへの同点ソロホームラン。
スタジアムが揺れた。あの瞬間が、マイアミまで来た意味のすべてだった。
ラスベガスからマイアミへ|WBC決勝ラウンドの舞台へ
ラスベガスでレンタカーを乗り捨てて、飛行機でマイアミへ移動した。フライト時間は約5時間。時差は東向きに3時間変わる。
マイアミは2026年WBCの決勝ラウンド(準々決勝・準決勝・決勝)の舞台だ。サウスビーチエリアのホテルに4泊して、準々決勝・準決勝2試合・決勝の計4試合を観戦した。
マイアミ・サウスビーチ|アメリカなのにアメリカじゃない街

マイアミはアメリカなのに、アメリカの雰囲気がしない。街を歩くとスペイン語が飛び交い、中南米の音楽が流れていて、食べ物もキューバ・メキシカン系が主役だ。南米の熱気と陽気さが街全体に漂っている独特の場所で、ニューヨークやロサンゼルスとは全く違う。
サウスビーチのオーシャンドライブはアールデコ建築のパステルカラーのホテルが並ぶ絵になる通りで、早朝の散歩が最高だった。ビーチは白い砂浜とターコイズブルーの海が本物のリゾートで、試合のない日はのんびりビーチに座っているだけで幸せだった。
ただし物価はかなり高い。レストランで食事すると1人3000〜5000円は普通にかかる。ニューヨーク並みの高さだと思っておいた方がいい。
メキシカン・キューバ料理が美味しかった
マイアミで印象に残ったグルメはキューバ料理とメキシカン料理だ。キューバサンドイッチはマイアミの名物で、ロースポーク・ハム・チーズ・ピクルスをキューバパンに挟んでプレスしたもの。ボリューム満点で値段も手頃で、何度か食べた。タコスも本場に近い味で、日本で食べるメキシカンとは別物だった。サウスビーチ周辺はレストランが無数にあるので、気になった店に入るスタイルで全部美味しかった。
準々決勝:日本vsベネズエラ|大谷の同点弾と、ベネズエラの応援の地鳴り
会場はローンデポ・パーク、マイアミ・マーリンズの本拠地だ。
試合前から会場の雰囲気が尋常じゃなかった。ベネズエラのサポーターが大量に来ていて、太鼓と歌と踊りで会場全体を支配していた。野球の試合なのに南米のサッカースタジアムみたいな熱量だ。スペイン語の応援歌が途切れることなく響き続けていて、日本のサポーターとは完全に別次元の文化だった。
試合は1回表、アクーニャJr.の先頭打者ホームランでベネズエラが先制。ベネズエラサポーターの地鳴りのような歓声がスタジアムを揺らした。
そして1回裏、大谷翔平が先頭打者として打席へ。初球を振り抜いた瞬間に打球音だけで「入った」とわかった。ライトスタンドへの同点ソロホームラン。あの瞬間の日本サポーターの爆発と、大谷がゆっくりとダイヤモンドを一周する姿は一生忘れない。これがこの旅で一番のピークだった。
その後、3回に森下翔太の3ランで日本が逆転したが、中盤にベネズエラが2本塁打で再逆転。最終スコアは日本5-8ベネズエラ。日本は準々決勝で姿を消した。WBC連覇の夢は散った。
負けたのは悔しかった。それでも大谷のホームランを生で見られただけでマイアミまで来た価値があった。
準決勝2試合・決勝も全部観戦|ベネズエラが初優勝
日本が敗退した後も、ローンデポ・パークに通い続けた。準決勝2試合と決勝、全部観戦した。
- 準決勝①:ドミニカ共和国 1-2 アメリカ(9回の逆転劇)
- 準決勝②:ベネズエラ 4-2 イタリア(ベネズエラが決勝進出)
- 決勝:ベネズエラ 3-2 アメリカ(ベネズエラが劇的な初優勝)
決勝のベネズエラvsアメリカは最後まで息が抜けない接戦だった。ベネズエラが3-2で逃げ切りWBC初優勝。試合終了の瞬間、ベネズエラのサポーターが会場全体を埋め尽くすような大歓声と涙に包まれた。自国が優勝した時の感情の爆発を目の前で見るのは、テレビでは絶対に味わえない体験だった。


WBC観戦でマイアミに行く人へのリアルなアドバイス
- チケットは公式サイトで早めに:決勝ラウンドのチケットは発売直後に争奪戦になる。特にメインゲームはすぐ完売
- ベネズエラサポーターの応援は本物:どの試合でもベネズエラが出ると会場の雰囲気が一変する。体験する価値がある
- サウスビーチ宿泊がベスト:ローンデポ・パークまでUberで10〜15分。ビーチも楽しめて試合後の解放感が最高
- 物価はニューヨーク並みと覚悟する:食事・ホテル・移動費すべて高い。予算は余裕を持って
- Uberが快適:マイアミは公共交通機関が使いにくいのでUber一択。試合後は需要が集中するので早めに呼ぶこと
- ホーチミン乗り継ぎの失敗と同じで、乗り継ぎには余裕を:国際線から国内線・別のフライトへの乗り継ぎはチケットを通しで買うこと
まとめ
マイアミまで行って日本が準々決勝で負けたのは悔しい。でも大谷のホームランを生で見た瞬間、ベネズエラの圧倒的な応援文化、決勝まで全試合観戦した4日間は、テレビの前では絶対に得られない体験だった。
スポーツ観戦のために海外まで行く価値は、間違いなくある。
LA・ラスベガス編はバカラで2000ドル溶かした話・アンテロープキャニオン乗り捨てレンタカーレポをどうぞ。その他の観戦レポはONE SAMURAI 1武尊vsロッタン観戦記・井上尚弥東京ドーム観戦記もあわせてどうぞ。
※観戦情報・スコアは訪問時のものです。
